1つのファション革命とも言うべく「黒の衝撃」で一躍有名になった”yohji yamamoto(ヨウジヤマモト)”。
しかし、最近では、時代を築き上げた偉大なるファッションデザイナーが手掛ける服だというのに、背景を何も知らずに着る人たちが増加しています。
服自体に魅了され、購入し、着用するという一連の流れは1種の楽しみ方ではあるのですが、ブランドの歴史や山本耀司の思いなど背景を知らないことは本当にもったいないことだと思うので、この記事をきっかけに、よりyohji yamamoto(ヨウジヤマモト)というブランドについて詳しくなりましょう。
ヨウジヤマモトのデザイナー山本耀司を知る
この人なくしてyohji yamamoto(ヨウジヤマモト)は語れない。
“山本耀司(やまもとようじ)“はそれほど偉大な人間です。
まずは、簡単にプロフィールをまとめてみました。
- 本名 山本耀司(やまもとようじ)
- 出身 東京(1943~)
- 学歴 慶應義塾大学法学部卒+文化服装学院卒
- 1977 東京コレクションデビュー
- 1981 パリコレデビュー(黒の衝撃)
- 1984 ヨウジヤマモト設立(Y’sは1972年)
今もなお、ファッション業界に偉大なる貢献をし続ける山本耀司ですが、服作りの根底にあるものは”反骨精神“。
「社会の流れに対する疑問や反対意見を叫び吐き出すことが自分自身の服作り」だとインタビューにて語っています。
それでも毎シーズン、コレクションを出すのは、世間に対して伝えきれていないことが残っているから。
しかし、山本耀司は「自分は生まれついての怠け者だ」と語ります。
それが意味するのは、自身が76歳(2019/10/29現在)という高齢になり、「死」というタイムリミットを感じながら服作りをしているということ。
ファッションの世界には期限があり、死ぬ前に全て言いたいことを伝えきる。
つまり、山本耀司の人生・考え方そのものが作品なんです。
だからこそ、僕は、山本耀司という人間ついて知らずにyohji yamamoto(ヨウジヤマモト)を着るのはもったいないと思うんです…。
あなたはこんなカッコいい生き様を知らずに山本耀司の作り出す服を着れますか?
また、山本耀司はこのように語っています。
「コレクションが終わっても服そこで完結しない。服は見て終わるものではなく、身にまとうものであるから。」
つまり、山本耀司のデザインした服を着る人も”共犯者“なんです。
ですから、僕の意見としては、yohji yamamoto(ヨウジヤマモト)の服を軽い気持ちで着てほしくないです。
例えば、ヨウジを着た人がタバコをポイ捨てするようであれば、解釈の仕方によってはそれもyohji yamamoto(ヨウジヤマモト)のクリエイションの一部だとみなされかねません。
共犯というラインをどこに設定するかにもよりますが、ファッションという領域を逸脱すればこういう見方もとれるということで、心にとめておいてほしいです。
偏見かもしれませんが、最近のヨウジを着る人には自分本位な人が多いような気がするので…。
それから何といっても凄いのが山本耀司の”学歴“。
慶應義塾大学法学部卒ですからね。
しかも、法学部なんて慶應義塾大学の学部の中で一番偏差値が高いと言っても過言ではないくらいの頭の良さです。
まあ、その話は置いておいて、
服作りと学歴なんて一見関係ないように思えますが、僕的にはかなり大きく関係するのではないかと考えます。
では、どうしてか。
それは、学業で培った発想力や、頭の回転スピードです。
数学で習ったことなんて実際に役には立たないかもしれない、しかし、問題を解く際に必要な発想の豊かさ、計算する際の頭の回転スピードなどは必ずデザインにも生きてきます。
だからこそ、若いうちには努力すべきですし、成功したいのならば、抜きんでた学力を保持しておくべきなのかもしれません。
これからデザイナーを目指している方にとっても是非、学業は怠らないようにしてほしいですね。
yohji yamamoto(ヨウジヤマモト)主要ラインを解説
Y’s(ワイズ) 1972~
Y’s(ワイズ)は山本耀司コレクションの原点とも言うべきもの。
山本耀司が手掛けた最初のブランドでもあり、「男性の服を女性が着る」というコンセプトのもと、女性に向けて服を作っています。
特に、カッティングとシルエットにこだわりを持ち、素材の風合いを生かした、服と人の肌の間にある空気感・分量感・バランスを大事にしたY’sの服作りは「機能的かつ品位のある日常着」というカテゴリーを確立しています。
女性がメンズ物を着るとよりセクシーに見えるのは不思議ですね。
yohji yamamoto pour homme(ヨウジヤマモトプールオム)
yohji yamamoto pour homme(ヨウジヤマモトプールオム)は、株式会社ワイズのライン。
コレクションルックなどにも載っているのはyohji yamamoto pour homme(ヨウジヤマモトプールオム)のものが多く、ヨウジヤマモトのメインラインでもあります。
yohji yamamoto pour homme(ヨウジヤマモトプールオム)はメンズラインであり、1996年の「花と少年期」は名の通る有名なシーズン。
全体的に価格帯も高く、人気だったシーズンは根強いファンもいるのでかなりの値段で流通しています。
動いてこそわかるドレープ感の美しさは他のどのブランドよりも魅力的で、オーバーサイズめに設計された服はゆったりとリラックスして着ることができます。
ヨウジヤマモトを着るのであれば、絶対に知っておきたいラインですね。
Y3(ワイスリー)2003~
y3(ワイスリー)は山本耀司とadidas(アディダス)の協業ライン。
最近では、ラグビーワールドカップ2019にて”オールブラックス”の愛称で知られるニュージーランド代表が公式ユニフォームとして着用していたことで有名になりましたよね。
ブランドイメージとしては、スポーツテイストなアイテムが多く、ストリートな感じ。
まさしく、モードとスポーツの融合させたようなラインです。
日本でも山本耀司とadidas(アディダス)のコラボラインであるY3(ワイスリー)の存在は大きく、今までのadidas(アディダス)といえばただのスポーツブランドというイメージでしたが、近年の日本ではお洒落スポーツブランドとしての地位を確立してきたような気がします。
adidas(アディダス)の市場規模拡大に貢献した山本耀司ですが、こんな長期のコラボになるとは本人も思っていなかったそう。
コラボ期間の長さが全てを物語っていますよね。
Ground Y(グラウンドワイ)2014~
Ground Y(グラウンドワイ)は、価格帯が2万円台が中心とお安いので人気が高い印象。
ヨウジヤマモトの知名度を上げるためのラインであり、ヨウジヤマモトの入り口としても機能しているので経営戦略としては欠かせないラインでしょう。
ヨウジヤマモトというブランドに勢いをつけたラインでもありますからね。
ヨウジヤマモト初心者の方はGround Y(グランドワイ)から入り、yohji yamamoto pour homme(ヨウジヤマモトプールオム)へと進むことをおすすめします。
山本耀司・川久保玲 黒の衝撃を振り返る
山本耀司という人間は、小さいころから社会の不公平なことに対して常に腹を立て、その気持ちを込めたのが服。
「そのきっかけがなければ、犯罪者になっていたかもしれない」とまで発言し、その反骨心の強さがよく伝わってきます。
その反骨心が実を結んだのがコムデギャルソンのデザイナー”川久保玲“と臨んだ初のパリコレクション。
これが後々「黒の衝撃」と呼ばれる1つのファッション界の革命ともなる出来事です。
それまではタブーだとされていた「全身黒をまとう」という斬新なスタイルは世界に衝撃を与え、ファッション革命とも言うべき常識を打ち破る革命を起こしました。
始めは、フランスのファション誌には「まるで広島の原爆を彷彿とさせるようだ」と批判されたりと賛否両論でしたが、「カラス族」と呼ばれる全身黒づくめの人々が現れれ、当時の流行語になるなどその影響は絶大だったことが分かります。
ちなみに、当時は報道陣がたくさん押し寄せて事務所のエレベーターが壊れたらしいです(笑)
事実、有名なファッションデザイナーである、「マルタン・マルジェラ」や「ジョン・ガリア―ド」達にまで影響を与え、現在のコレクションにも大きく影響していることが見て取れます。
他にも、上は14ssメンズのルックなんですが、雨に濡れたような服でテーラードスタイルの常識をぶち壊したりと斬新さ極まりないコレクションを数多く打ち出しています。
ちなみに、ヨウジヤマモトの服には黒が多いという印象がありますが、全てが黒だというわけではなく、時には色彩豊かな服もあるので見ていて面白いです。
まとめ
2014年にはレアルマドリードのユニフォームを手掛け、世界的なデザイナーとして今も活躍し続ける山本耀司ですが、今後も彼のセンス・思想が揺らぐことはないでしょう。
これだけ強い意志を持ち、人生をかけて作る服は本当にカッコいいです。
以前に、僕の友人から「ファッションなんてただのカッコつけでしょ?」なんて言われたことがあります。
しかし、1つ、ファッションといっても、これだけの思い、背景があり、僕はその背景をリスペクトし、カッコいいと思うからこそ、そのブランドの服を着る。
要は、カッコよく見せるためじゃなくて、その服をカッコいいと思い、その服に魅力を感じるから着るんです。
この気持ち、みなさん大事にしてください。
でないと、中身のない服作りが蔓延しますから。
この考え方について、今回の記事を通して共感していただけたならば幸いです。